「人間に こんな声が出せるはずない。ロバート・プラントはバケモンだ!」
最初に このアルバムを聴いた時、そう思った。
声が高いとか、大きいとかいう問題ではない。妖しすぎるのである。
“若獅子の咆哮”のような 『LED ZEPPELIN Ⅱ』、
“プラント唱法”を完成させた 『LED ZEPPELIN Ⅲ』、
名曲 『STAIRWAY TO HEAVEN」を歌う 『LED ZEPPELIN Ⅳ』、
それぞれのアルバムでアンビリーバブルな歌声を聴かせてくれたが、
ここでの歌には、この世のものとは思えない妖気が漂っている。
おそらくギタリストでありプロデューサーでもあるジミー・ペイジ
の“魔法”(機械的処理)

も掛かっているのだろうが、
だとしても、すごすぎる。
ロバート・プラントを真似るヴォーカリストは多いが、
この“妖気”を再現できた者はいない。
1.THE SONG REMAINS THE SAME
元々は、 前半のインスト部分が 次の「レインソング」へのプレリュードになるはずだった。
ところがロバートが「詞をつけるべきだ」と言い出して、
半分にスピートダウンしたヴォーカルパートを入れようと 提案したとのこと。
2.THE RAIN SONG
ビートルズのジョージ・ハリスンに「Zepってバラード苦手だよネ」と言われて、
「よし、ジョージにバラードを聴かせてやろうゼ」という意気込みで作られたのだとか。
ジミーのナチュラルでクリアなギターと、
ジョン・ポール・ジョーンズのキーボード(メトロトン、エレピなど)が幻想的なムードを醸し出している。
3.OVER THE HILLS AND FAR AWAY
アコースティックとエレキのサウンドが絶妙にブレンドされている。
明るめの音だが、ジョン・ボーナムのグルーヴも効いており、
パワフルさは失っていない。
4.THE CRUNGE
ジェームス・ブラウンのパロディだそうだ。
言われてみれば確かにファンキーだが、
ロバートの声で歌われると、完全にツェッペリン味になる。
5・DANCING DAYS
酒に酔ったような 気だるい感じのヘヴィロック。
ジョン・ポール・ジョーンズのオルガンが じめっ としていて良い。
6.DYER MAK'ER
ディアメイカー → ジャマイカ というダジャレから、レゲエのリズムを取り入れた。
ロバートが歌うとレゲエに聴こえないが。(もちろん そこがGood!)
7.NO QUARTER
ジョン・ポール・ジョーンズのシンセピアノが幻想的な音色を奏でる中、
靄の向こうから、ファズの掛かったギターが切り込んでくる。
8.THE OCEAN
(いわゆる)ツェッペリンらしいヘヴィな曲。ジョン・ボーナムのドラムも強烈。
ドラマのBGMなどにも時々使われたりする。
後半部分の ♪ドゥワッピ・ドゥビ・ドゥビ♪に脱力。(そして拍手。)
ヘヴィなまま終わらないところも、いかにもツェッペリンらしい拡散美?
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